頬の消えない赤み。毛細血管拡張症かも?イソトレチノインの期待できる効果

「頬のぼわっとした赤みが気になる」「毛細血管が透けて見えるからなんとかしたい」というお悩みはありませんか。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織のうち、毛細血管は真皮層の浅いところに存在しているため、通常は皮膚表面から透けてみえることはありません。

しかしなんらかの原因により、皮膚表面から毛細血管が透けてみえ、肌が赤く見えることがあります。
今回は毛細血管拡張症の症状や原因、当院の治療法などをご説明します。

毛細血管拡張症とは

顔面は他の部位と比較して、より多くの毛細血管が肌の内側に存在しています。
毛細血管拡張症とは、なんらかの原因で毛細血管が広がったまま戻らなくなり、肌が赤くなっている状態をいいます。
通常、毛細血管は真皮層の浅い部分にあるため、皮膚表面からは見えません。

しかし拡張したまま戻らなくなった場合、皮膚から透けて肌が赤く見えることがあります。
また毛細血管拡張症は、酒さや赤ら顔などの症状が混ざっていることも少なくありません。

毛細血管拡張症は主に、次の4種類に分類されます。

  • 単純型(線状型)…枝分かれのない線状の毛細血管が拡張している状態
  • 樹枝状型…枝分かれのある毛細血管が拡張している状態
  • クモ状型…クモの巣のように中央から毛細血管が広がっている状態
  • 丘疹型…毛細血管が丘疹を作り、わずかに盛り上がっている状態

赤ら顔については「赤ら顔や赤あざは治せる?皮膚の「赤み」の原因や治療法について」もご覧ください。

毛細血管拡張症の原因

毛細血管拡張症の主な原因として、以下のようなものが考えられます。

加齢、遺伝

皮膚の脂肪量が少なくなり、肌の状態が変化することで症状がみられることがあります。
また生まれつき皮膚が薄い場合、真皮層の毛細血管が皮膚表面から透けて見えやすい可能性があります。

女性ホルモン

毛細血管拡張症は特に妊娠中の顔や首、胸などに症状が現れやすいことが特徴です。
また女性ホルモンが含まれる薬の影響で症状がみられるケースもあります。

寒暖差、香辛料

毛細血管は拡張と収縮を繰り返し、体温調節をしています。
一度拡張した毛細血管が元に戻らなくなった場合、症状が現れることがあります。

また香辛料やアルコールなど、刺激が強い食べ物を摂取すると血流が増加して毛細血管が拡張しやすい状態になります。

毛細血管拡張症の治療方法

毛細血管拡張症の治療法には、レーザー治療など他の選択肢もありますが、本記事では内服薬のイソトレチノインについてご紹介します。

イソトレチノインはビタミンA誘導体の一種で、重症のニキビに効果が期待できます。
皮脂分泌を抑え、毛穴の炎症を抑制します。

日本では認可されていませんが、欧米ではニキビ治療薬として広く認知されているロアキュタン、アキュテイン、アクネトレントなどの商品名で販売されています。
日本の医療機関でも、重症ニキビに対して保険適用の薬に効果がみられなかった場合に選択肢となる内服薬で、肌の赤みのぽつぽつやぼんやりとした赤みを抑える効果が期待できます。


また、ごわごわした肌触りや毛穴の開きなどの改善も見込めます。
個人差はありますが、皮脂分泌が多く、それに伴う炎症が継続しておきた毛細血管拡張症の場合は4~6ヵ月程度の内服で肌の赤みが少しずつ目立たなくなることが多いです。

1日1~2回、食後に服用します。服用する量や回数は、患者さまの症状や体重により異なります。医師に相談のうえ、用法用量を守って服用してください。

服用開始前、服用期間中の血液検査が必要です。定期的な検査で安全性を確認しながら処方いたします。

なお、検査の数値が悪化した場合には服用を中止することがあります。

下記に当てはまる方は、イソトレチノインを処方できません。

  •  15歳未満の女性、18歳未満の男性
  • 妊娠の可能性がある方、妊娠中や授乳中の方
  • 成長期で身長が伸びている方


下記に当てはまる方は、イソトレチノインを処方できない可能性があります。

  • テトラサイクリン系の薬剤を内服している方
  • イソトレチノイン製剤、トレチノイン製剤でアレルギーの既往歴がある方
  • 肝機能障害のある方
  • うつ病などの精神疾患を抱えている方
  • ビタミンA過剰症の方
  • ステロイド薬を内服している方

副作用と注意点

イソトレチノインの重大な副作用として、胎児奇形や流産があります。
そのため、イソトレチノインの服用中、および服用終了後、女性は6カ月間、男性は2ヵ月間、必ず避妊してください。

また他の主な副作用として、皮膚の乾燥、発疹、鼻出血、頭痛、視覚障害、悪心、嘔吐、筋肉や関節の圧痛、うつ病、自殺企図などがあります。

イソトレチノイン服用の際は、次の点に注意してください。

  • 妊娠中は内服できないため、妊娠の可能性がある方の内服は絶対禁忌です。不明な方は月経が始まってから、2~3日過ぎてから服用してください。
  • イソトレチノインの服用中、最後の服用から6か月間は献血を避けてください。
  • 1回の内服量を守ってください。飲み忘れてしまった場合も、次の服用時は通常量を服用しましょう。
  • 服用を開始してから数週間は症状が悪化することがありますが、治療を継続していくことで改善がみられます。自己判断で中止しないようにしましょう。
  • 服用期間中は皮膚が敏感になります。他の美容医療をする場合は、必ず医師へ相談しましょう。
  • 服用期間中は紫外線の影響を受けやすいため、遮光、または紫外線対策を十分に行ってください。

イソトレチノインの詳しい治療内容は、「イソトレチノイン」もご参照ください。

料金

ロアキュタン(イソトレチノイン)10mg 1錠¥300(税込¥330)
ロアキュタン(イソトレチノイン)20mg 1錠¥500(税込¥550)
アクネトレント(イソトレチノイン)10mg 1錠¥250(税込¥275)
アクネトレント(イソトレチノイン)20mg 1錠¥400(税込¥440)

「イソトレチノインについて」

未承認医薬品等

 イソトレチノインは医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。

入手経路等

 当院医師の判断のもとPRSS社より購入しています。

 個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はリスクが潜む個人輸入をご確認ください。

 イソトレチノインの個人輸入については厚生労働省の注意喚起をご確認ください。

国内の承認医薬品等の有無

 同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。

諸外国における安全性等に係る情報

 米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。

 鬱、精神病、胎児の催奇形性などの副作用も報告されています。

毛細血管拡張症を治療したい方は、渋谷駅前おおしま皮膚科へ

毛細血管拡張症は、皮膚表面から毛細血管が透けて見え、肌が赤くなっている状態のことを指します。
原因として、遺伝や加齢、寒暖差など、さまざまなものが考えられます。

毛細血管拡張症など肌の赤みの内服治療にはイソトレチノイン内服が有効とされ、個人差はありますが、4~6ヵ月の内服で症状の改善が期待できます。
肌の赤みが気になる方は、当院へお気軽にご相談ください。

【渋谷駅前おおしま皮膚科院長|大島昇 監修】